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5月の30・31日に構造見学会を開く動物病院は、とても変わった木材を使った新しい工法の建物です。
木造の柱や梁は、なるべく国産の無垢材が良いと思っていますが、日本の木材は北米材などに比べると木が小さく、大きな断面の製材が希少でとても値段が高くなってしまいます。
それに対して2〜3センチの挽き板を重ねて作った「集成材」や4〜5ミリほどの厚さに剥いたりスライスした薄板を重ね合わせた「LVL」などのエンジニアウッドと呼ばれる構造材は、製作機械に入る大きさまでなら自由に作ることが出来ます。4月に建設が始まった江戸川区の動物病院は正面にこうして作られた大きなLVLの壁を沢山使い、構造材でありながら仕上げ材とも兼ねた斬新な建物です。
公共施設や、規模や空間が大きい店舗や施設、集合住宅などは鉄骨造やコンクリート造で建てるのが一般的でしたが、今こういった建物を環境の観点から木造で建てる技術が開発されています。今開発が進んでいる構造材は主に「CLT」と「LVL」の二つに大分されます。CLTは挽き板をクロスさせて貼り合わせている集成材の大きな壁のようなもので、LVLは合板を厚くした大きな壁といった感じです。
今回の動物病院は一般のLVLとは違い、断面側、いわゆる合板の厚さ部分の縞々側が正面になる、普通とは逆の構成のLVL壁を使います。よって壁を正面から見ると全部縞々の模様になります。私たちはLVLの縞壁と呼んでいますが、見た目は縞がくっきりしていて力強い感じの柾目の木目、といったイメージです。
動物病院は17m近い長さの正面の外壁側がほとんど吹き抜けとなるため、通常の在来木造では壁の強度を確保することが出来ませんが、正面の壁全てに、幅1.2m高さ6.5mのLVL縞壁を並べる構造として成り立たせています。その壁が待合室の吹き抜けの壁となって見えてくる、壮観で迫力のあるデザインです。
一方のCLTは海外ではもっと進んでいて、9階建の集合住宅などがすでに出来ています。
しかし日本ではまだ新しく材自体の認定の問題で、耐火性能を満たすためにはCLTを石膏ボードなどで隠さなければなりません。木造らしく木を見せるデザインとする事が出来るのはまだLVLの方だけです。
どちらも再生可能な木材を使うことから環境性に優れ、コンクリートの4分の1の軽さである事また火に強い性質や短い工期で出来る特徴を持つことからとても注目されています。今回の動物病院は5月25日にLVLの建て込みから週末の見学会までを、関係者やプロの方はじめ一般の方にも公開します。ご興味のある方は大和工務店迄、ご連絡下さい。新しいデザインのLVL構造壁を是非ご覧ください。
代表取締役 鈴木晴之 施行例
鉋(かんな)というと大工道具として普通に使われている台(だい)鉋(かんな)のことを思い浮かべますが、日本では台鉋が中国から伝わる室町時代頃までは、槍(やり)鉋(がんな)が木材の表面仕上げに使われてきました。槍鉋は日本独自の道具らしく中国やシルクロードの周辺でも類似のものは発見されていないようです。
日本では木材を白木で使い木材正面の美しさを見せることに美しさを見出したため、その美しさを際立たせるための道具として鉋が発達しました。
現在日本では「削(けず)ろう会」という鉋屑の美しさを競う大会があって、前回の大会では9ミクロンの鉋屑を出した人が優勝したそうです。過去には5ミクロンの鉋屑を出した人がいたそうです。ちなみに赤血球が6.9ミクロンだそうですから、それよりも薄い鉋屑を造れる技術者がいたのには驚きました。薄く削ることの目的は木材の細胞を壊さないように表面を仕上げることで、なめらかで美しいだけでなく水切れを良くするなど耐久性も増すそうで、木材を白木のまま使うという目的のためには必要な技術であるようです。今年も5月5日・6日に神戸でこの大会が開かれることに成っていますが、なんと31回目の大会だそうで歴史もあります。
こんなに薄い鉋屑を出すためには道具が良くなくては出来ないわけですが、そのこだわりは砥石にまで及びます。最近の砥石は人造砥石がほとんどですが、私が子供のころ、小中学生の時ですから50年以上も前の話ですが、大工が仕事をしている下小屋に昼休みや3時の休みによく道具屋が来たものです。その中には砥石を売りに来る人もいて、かなり高価な砥石を買っていたものです。それでも当たりはずれがあるようで、作業場にはたくさんの砥石が置いてありました。
少し砥石のことを調べてみたら、日本で採れる上質の砥石は京都で採れますが、これは今から2億5千万年前に赤道付近で堆積した微生物の遺骸と粘土が混ざり合って出来ているそうです。
地殻変動により数億年かかって、日本の京都と滋賀県の一部に出てきたもののようで、日本の造山活動によるところが大きいため世界中のどこにもない砥石が出来上がったそうです。
ちなみに天然砥石の値段は20~30万円から最高額の砥石は3000万円まであるそうで驚きました砥石がよければ良い刃物がよく切れるようになり仕上げ面も美しくなるということに成るようです。自分も包丁を研ぎますがなかなか切れるように砥げません。良い砥石があれば少しは刃物が切れるようになるのでしょうか、子供のころに聞いた大工たちの話がよみがえってきます。
横道にそれましたが、鉋の話に戻ります。
平らな面をけずる鉋で、仕上げの段階によって使い分けられます。荒仕子(あらしこ)鉋、中仕子(ちゅうしこ)鉋、上仕子(じょうしこ)鉋と呼びます。
仕上げ用の鉋と荒削り用の鉋の刃は確度が違います。また木材の型さによっても刃の角度を変えていました。 鉋には二枚刃と一枚刃の鉋があります。右側の二台が二枚刃で左側の幅広鉋が一枚刃です。
二枚刃鉋は削り面の逆目を留めやすくするために使われている技術で、一般に売られている鉋はほとんどが二枚刃です。左側の鉋はあまり見かけませんが、私は箱根細工の加工場で見たことがあります。右側の刃が真っ直ぐに立っている鉋は台直し鉋という鉋で台鉋の木材に接する面を平らにしたり、削るために必要な凹凸をつけるために使います。
これは建具の溝を掘るときに使う鉋です。
右から底取り鉋で溝を掘るために最初に使う鉋で、この鉋では溝を真っ直ぐに彫りにくいためガイドの付いた鉋が発明され、元一(もといち)鉋(かんな)と言われています。
左の3台は溝の左右を仕上げる時に使う鉋です。
柱や造作材の面を取る鉋で台と鉋の二つに分かれていて台は幅が広がるようにできているため、面の大きさに合わせて台の幅を変えることが出来るようになっています。
鉋部分は左右に動くようになっていて鉋の刃の切れ味の良い所を使い分けられるようになっている優れものの鉋です。
面の種類によって台や刃の形が違う鉋がたくさん作られています。
木材を加工するいろいろな用途に応じて作られた鉋です。隅を丸くしたり凸凹を付けたり等の作業に使いますが、大工よりも細かい細工が 必要な建具屋や木型を造る職人が沢山持っていました。
ただ最近は鋸と同じように電動工具が発達し、それを頼ることのほうが多くなったため大工の道具箱から鉋も消えかかっています。また台鉋も使い捨ての鉋刃が出来てきてやはりそれを使うことが多くなってきています。
そして超仕上げ鉋盤という電動工具が出来たために、仕上げ鉋を使う必要もなくなりつつあります。「削ろう会」のような削りを競う機会は、競技の場でしか見ることが出来なくなるのかもしれません。(後関)
日 時 6月6日(土) 午前9時~午後3時
会 場 江戸川区総合文化センター屋内外 区中央4-13
会場ではふれあい動物ランドや環境に優しい人力自転車発電の体験などのイベントや古着・古布回収を実施し、回収した衣類は中古衣料として海外での利用やウエス(工業用雑巾)軍手などに再利用されます。
環境フェアのイベントに参加することで大人から子供まで楽しみながら環境を考える機会になります。
大和工務店も建築士会江戸川支部の一員として参加し、鉋で端材を削って「マイ箸作り」を行います。(白井)
強い地震(震度5強以上)を感じたら主幹ブレーカーを強制遮断して電源を止めて地震による通電火災の防止に役立ちます。
地震発生後3分間は照明の電源を確保するためブレーカーは遮断しません。
内閣府のホームページより
☆荷造り紙バンドを使ったかご作り
日時:13日(水) 23日(土) 午後1:30~
費用:900円(かご1~2ヶ作れます)
※ 当日のお申込みも受け付けます。
☆パッチワーク教室
日時:12日(火) 16日(土) 26日(火) 午後1:30~
費用:1ヶ月 300円(コピー代等)
※ 前日までにお申し込み下さい。