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Gコミ252 2016年11月号

これからの耐震を考える

「本震に気づかず2階で子供は安眠していた」(日経ホームビルダー誌より)。これは熊本地震被災地のある家の話しです。昨年10月に新築したばかりのこの住宅は、今後50年以内に大地震が起こる確率をニュースで知って、家を建てるなら対策が必要と耐震の対策を検討し、制震システムを採用した住宅です。本震の時に全員2階で寝ていたご家族は、揺れが納まってから室内を点検し、棚から物は全く落ちず、家に被害は無いと確認しました。しかし翌朝の隣に建つ実家を見に行くと、自宅とは対照的に足の踏み場もない位棚や物が錯乱した状態だったと言います。

同じ場所でこれだけ被害が違った理由は、建物の強度と、制震によるものだと考えられています。聞いた事があると思いますが、耐震、制震、免震は、それぞれ地震に対してとても有効ですが、一つ一つ目的が違うもので、それぞれの組み合わせによって強い効果を発揮します。

熊本地震の被害を調べると、倒壊した建物297棟のうち、現在と同じ強度基準である2000年の基準の建物が7棟倒れています。うち3棟が基準を満たしていない接合部等があった違反建築、他の1棟は敷地の崩壊によるもので、その他の3棟だけが特別な理由が見つからない、いわゆる基準を満たしていた建物ということになります。倒壊した住宅の基準年代別の割合としては、現在の基準の建物は1%、1981年以降2000年以前の新耐震基準では26%、残りの7割強が1981年以前の旧耐震基準の建物となっていて、全体で比較すると現在の基準は有効だったとされています。

しかしゼロでなかった事から必ずしも「基準を満たせば安全」とは言い切れない印象を受けます。同じ基準ながら倒れた建物と倒れていない建物の違いは何でしょうか。まだ解明はされていませんが、違いがあるとしたら一つは基準スレスレなのか余力があるのか。もう一つは強度のバランスによるものではないかと思います。いずれにしても今の基準に対する安心感が少しでも崩れてしまった以上、今後の住宅の耐震計画を行う上で、基準だけにたよるのは間違いかもしれません。

それでは、建物の地震対策について簡単にお話しします。耐震は、強度を上げて地震の力に対抗して壊れないように建物を堅くする事。制震は、建物が受けた地震の力をダンパー等で吸収して小さくする事。免震は地盤の揺れを建物に伝えにくくする事、となります。もちろんどれも建物の地震対策としては有効ですが、単純比較は難しく、免震は揺れの8割以上を軽減させるとても良い装置である反面、高コストになるため小規模建築にはあまり向きません。

特に江戸川区のように地盤が軟弱な地域で長期間水平を保つためには支持抗のような長い杭を必要とすることも在り建築費の高騰につながります。一般的には耐震と制震とを検討する事になります。第一に建物の基本性能として、耐震強度をどの程度上げるかを考えます。おそらく基準の1.25倍となる長期優良住宅レベルの「耐震等級2」が目安となるでしょう。

可能であれば更に最高等級の「3」を目指すのも悪くはありません。地震保険が安くなるメリットもあります。しかし、耐震強度は上げれば上げるほど壁が多く必要で、間取りや開口部に制約がかかり解放感のある空間づくりが難しくなります。更に基礎も過大になりやすく建築コストも上がります。また耐震強度を上げる事で建物は壊れなくなっても、揺れが減るわけでは無く、かえって中にある「モノ」は壊れます。

対して制震は地震力を吸収し、2~4割程度揺れも押えてくれると言われています。ある程度しっかりした耐震強度の上に制震を加える事で、強度アップによるデメリットを回避しながら全体のバランスをとる事が安心で快適な家づくりにつながります。ただ制振装置にも課題はあります。制振装置には様々な方法があり、どの方法が本当に有効なのか、耐用年数の問題など解らないこともあります。

冒頭の被災地の家は、間口が小さく奥行が長い形で耐震上不利な建物であるにも関わらず、耐震強度は間口方向で1.2倍、奥行き方向で1.5倍程度の余力を取りながら、耐力壁はバランス良く配置されている設計でした。更に建物の4か所に制震装置を入れており、それによって隣の建物とは全く対照的な結果となったと言えます。

東京の住宅は、敷地の広さや日当たりの問題から、3階建でバランスの悪い間取りになりがちです。ある程度は強度やバランスを考慮しなければなりませんが、住みづらく暗い家にしてまで突き詰めるのはどうかと思います。都内の狭小地こそ制震を取り入れて、住みやすさを犠牲にすることなく安心な家にしたいですよね。更に耐震強度を高めて、制震との組み合わせで大きな余力をつくる事が出来れば、大地震でもモノ一つ落ちない住まいをつくる事も可能になります。

熊本地震は、地震の加速度と揺れ幅の双方が大きく、今までよりも特別建物への被害が大きかったと言われていますが、再びこのような地震が来ないとも限りません。この被害を教訓として今後の住宅建築に活かしていきたいと思います。

代表取締役 鈴木 晴之

FPの家グループ設立30周年を迎えました

弊社が長年取り組み紹介している高気密・高断熱住宅「FPの家」が出来、それを建築する工務店のグループが結成されて30年が経ち祝う会が札幌で開かれました。30年もたつと最初からのメンバーは引退や世代交代が進みなかなか会う機会がありませんでしたが、久しぶりに懐かしいメンバーとも会え旧交を温めてまいりました。

弊社は平成3年からFPの家を作り続けてきましたが、当時はとても変わった建物で住宅にここまでの高気密・高断熱、換気の性能は必要ないなどと言われましたが、実際に「FPの家」に住まわれたお客様の支持を受けて現在のように普及し、2020年には国による省エネ住宅の義務化にまで進んできました。始めたころに比べると隔世の感があります。

「FPの家」は全国で累計3万棟を超え、冬暖かく夏涼しいだけでなく、呼吸器系の疾患やアレルギー性の疾患などに効果があることを医療関係者が気づき推奨してくれるお医者さんが出てきています。 また大きな地震に会った地域でもほとんど被害を受けた建物がなく地震にも強いことが実証されつつもあります。壁の中に入っているウレタンのパネルが地震の力を和らげているという制振性能があるのではないかと私は考えています。

省エネ性能が高く、健康にも良い建物がこれからも沢山建てられていくことを願っています。(後関)

第18回 産業ときめきフェア in EDOGAWA

日時:11月18日(金)~19日(土)
   10:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場:タワーホール船堀 1・2階展示ホール
   江戸川区船堀4-1-1   入場無料

130社を超える製造業を中心とした企業が一堂に会し展示・実演などを通じて優れた製品・技術力を紹介していくとともにビジネス情報の交流を促進し、企業の活性化を図ることを目的として開催します。

江戸川区伝統工芸の実演もあり19日(土)はものづくりの体験を通じて、子どもたちの知的好奇心や探究心を育もうと「ものづくり体験コーナー」が開設され、金属ゴマや発明工作授業などが体験できます。大人から子供まで楽しめるフェアです。

事前申込や詳細は、産業ときめきフェア実行委員会事務局 電話 03-5662-0525

楽しいクリスマスグッズ

日時:11月25日(金) 午後2:00~
費用:1,500円(材料、講師代)

松ぼっくりや木の実など好きなもの飾って、チョット早いクリスマス気分を楽しみませんか。
1時間~1時間半くらいでリースなどが出来上がります。10月のふるさと祭りのワークショップではハローウィンのリース作りやバックにデコーレーションを行ないました。沢山の幼稚園児や小学生の参加で賑やかなワークショップになりました。出来上がった作品はどれを見ても素敵で、子供達のカラフルな色使いのセンスの良さに感心しました。

教えてくださるのは、西一之江でハンドメイドのお店「Calm Heart」を運営している小山さんです。
✰材料の準備がありますので、11/24(木)までにお申し込みください。

11月に大和工務店で行う教室

☆荷造り紙バンドを使ったかご作り
日時:9日(水) 19日(土)  午後1:30~
費用:900円(かご1~2ヶ作れます)※ 当日のお申込みも受け付けます。

☆パッチワーク教室
日時:8日(火) 12日(土)  22日(火) 午後1:30~
費用:1ヶ月 300円(お茶代等)※ 前日までにお申し込み下さい。

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